ブック・リスト
2021年は、海外文学の新刊を読みまくった。 『本の雑誌』の新刊ガイド連載「新刊めったくたガイド」の海外文学担当になったからだ。 「新刊めったくたガイド」は、ジャンルごとにわかれて、毎月4冊以上の新刊を紹介する連載だ。日本文学、海外文学、SF、ミス…
2020年アメリカ大統領選挙は激戦だった。2016年大統領選挙以降、世界中で、共和党と民主党それぞれを支持する「支持州」と「支持層」に注目が集まったように思う。 アメリカの大統領選挙は、人口ごとに選挙人数が割り振られ、州ごとにどちらかの政党を選ぶ「…
雨が降ると地面が凍えたように青くなる季節になった。わたしは冬に鍋をするのが好きだが、それ以上にアイスクリームを食べるのが好きだ。寒い冬にあえてもっと寒いことをするのが好きなのである。 というわけで、寒い土地の冬を描いた海外文学リストである。…
ブログの名前を「キリキリソテーにうってつけの日」から「ボヘミアの海岸線」に変えた。 キリキリソテーという名前に愛着はあるが、この名前でブログを書いて11年になるし、長いし(Twitterでつぶやくと長いなといつも思う)、そろそろ変えてみてもよいかな…
#2019年、編集済み。 「海外文学の名作100冊」を分類する 世界文学・海外文学は広大な海あるいは原野のようだ。それゆえ、初心者にとって地図がとても見づらい。「面白い」「古典」「話題になっている」という定性的な物差しはたくさんあるけれど、それだけ…
ここのところ、海外文学を読んだことがない人に海外文学を読んでもらう方法を模索していて、こんな記事を書いた。 この記事を読んだ人から「本を置く場所がないし持ち運びが重いから、電子書籍の海外文学リストが欲しい」というリクエストをもらったので、「…
ガイブン初心者にオススメする海外文学・ハードカバー編 - ボヘミアの海岸線 - 海外文学の感想 秋の夜長に「読みたい本の雰囲気を伝えてもらったら、それっぽい海外文学をおススメする」企画をTwitterでやってみた。 「あまり海外小説を読まないけれど興味は…
アントニオ・タブッキ『レクイエム』に、登場人物がリスボンの美術館でヒエロニムス・ボッシュ『聖アントニヌスの誘惑』を眺めるシーンがある。はじめて本書を読んだとき、ボッシュも『聖アントニヌスの誘惑』も知らなかったわたしは、これほどまでに登場人…
登場人物 エイハブ:白鯨モービィ・ディックに片足を食われたセンチョ「エイハブ」に謎のホゲイソウル「ホゲイ・ピークォド」が憑依。ホゲイが抱えるクジラ殺戮渇望がエイハブの復讐心と重なり合い、恐るべきクジラ殺しのセンチョ「クジラスレイヤー」を誕生…
池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」は何が読まれているのだろう? 海外文学死亡かるたのまとめを作っているとき、ふとそんな疑問が頭をよぎった。 わたしにとって池澤夏樹の世界文学全集は、なんとも不可思議なポジションにある。持っていそうで持っていなそ…
「安心できる人とつきあいたいんですよね」と、隣の青年はつぶやいた。相手が自分を好いていて、裏切らないという確信がなければ誰かとつきあう意味がないと。だが、はたして人の心はそれほど単純だろうか? もうこれっきりだと思ってメールをしながらこのマ…
しれっと新年を迎えようかとも思ったけれど、なんだかんだで今年もやることにした「海外文学アワード」。2011年刊行のものではなく、2011年に私が読んだ本の中から特に気に入ったものを選ぶという趣旨。「アワード2011」という感じではぜんぜんないが、そこ…
とあるninaさんから「好きな作家ベスト100をやってみるとおもしろい」と言われた。なるほど、ならばやってみようと書きだしてみたらこれがなかなか頭を悩ませるしろもので、100人書きだすことがそもそも大変、それを並べるのがさらに難しいときている。どう…
2010年春に世界文学の祭典「ワールド文学カップ」で海外文学ファンのお祭り騒ぎを巻き起こしたピクウィック・クラブが、4月から「文学博覧会2011」、略して「ぶんぱく'11」を開催している。 例年どおり、249タイトルすべてに手書きポップをつけるという謎の…
元ネタ:モテる女子力を磨くための4つの心得 こんにちは、海外文学を乱読しているイリアス嬢です。私は町でいちばんの美女でも毛皮を着たヴィーナスでもありませんし悪徳の栄えですが、恋愛に関してはプロフェッショナル。今回は、モテる海外文学(ガイブン…
もう4月1日もまもなく終わりだけど、日付変更線を心の中でずらしていけば、4月馬鹿はもう少し続く。というわけで、エイプリルフールらしく嘘つき、ほら吹き、ペテンどもの海外文学を集めてみた。勧める阿呆に読む阿呆、1日だけしか4月馬鹿やっちゃいけないな…
なんだかんだで今年もやることにした海外文学アワード。今年は、7年ぶりぐらいに一度も海外に行かない年だった。代わりに、国内をやたらぐるぐる回っていた気がする。あとは、いろいろな人に会えたことが収穫だった。仕事柄いろいろな人に会うことが多いが、…
12月26日開催の「読んでいいとも! ガイブンの輪 歳末特別編」で紹介された、出版社の中の人がおすすめする海外文学リスト。今回は、廃校になった小学校を倉庫代わりにしているという、水声社の“中の人”下平尾さんセレクト編。 群像社の中の人が選ぶ「おすす…
「読んでいいとも! ガイブンの輪 歳末特別編」、出版社の中の人がおすすめする海外文学リスト。最後は「人がやらないことしかやらない」未知谷の“中の人”、飯島さんセレクト編。 群像社の中の人が選ぶ「おすすめ海外文学リスト」 水声社の中の人が選ぶ「お…
吉祥寺の古本屋「百年」で「読んでいいとも! ガイブンの輪 歳末特別編」があった。1人出版社の群像社、アンデスの風でお世話になっている水声社、他の人がやらないことしかやらない未知谷。小さな出版社3社が集まって「おすすめの海外文学」や小さい出版社…
先日の「色で読む海外文学」リストの続編。Twitterでつぶやいたら、いろいろな方からいっぱい推薦をもらったのでまとめてみることにした。白黒つけてみる? モノクローム編。 White冬の犬 (新潮クレスト・ブックス)作者: アリステア・マクラウド,中野恵津子…
うちの家の庭は、かつての持ち主だった庭師が作ったもので、四季折々の植物が植えられている。台所から見える葉っぱの色は、季節の節目を測るバロメータだ。少し黄土色を混ぜたようなくすんだ黄緑色になっているのを見ると、秋も深まってきたのだなあとしみ…
ふと、日本が読みたくなった。ひぐらしが鳴きはじめる盆の季節には、どうにも日本が読みたくなる(日本文学ではなく、あくまで日本が)。本棚をあさるのは面倒くさかったので、あちこちに散乱している本の山どもの中から寝ぼけまなこでセレクト。 東京日記 …
2010年4月1日以降、新宿に通う日々が続いている。 目的地は、紀伊國屋書店新宿本店のブックフェア「ワールド文学カップ」。「世界53カ国、650種類の文学」を全ポップ付きで紹介するという、海外文学読みにとっては垂涎もののお祭りだ。 「ワールド文学カップ…
以前、Twitterで「漫画読みにオススメしたい海外文学」についてつぶやいた。いろいろな人からコメントやおすすめをもらったので、今回ここでまるっとまとめてみる。 「海外文学読みにおすすめできる漫画」でもよかったのだけれど、逆にした。理由は、「圧倒…
その昔、外国で出会ったオーストラリア人に「日本ってどこ? 中国と陸続き?」と聞かれたことがあった。「極東の島国」と答えると、相手はあっけらかんと「へえ、そうなの。アジアの遠くにある、というイメージしかなかったわ。教えてくれてありがとう」と言…
白水社「エクス・リブリス通信 Vol.5」を参考にまとめたもの。20世紀以降の文学が中心。 ■アフガニスタンを知る本 悲しみを聴く石 (EXLIBRIS)作者: アティークラヒーミー,Atiq Rahimi,関口涼子出版社/メーカー: 白水社発売日: 2009/10/01メディア: 単行本購…
2009年をまったりとふりかえる。さてさて2009年、何があったかな。(1)大学院をどうにかこうにか卒業した (2)夢ではなく、本当に仕事があった(これが一番の奇跡) (3)活字にまみれた (4)中南米ぶらり旅(もう1回行きたい) 学生⇒社会人という、ジョ…
白水社発行の「エクス・リブリス通信」に掲載されていた、スペイン・ラテンアメリカ文学のおすすめ本リスト。 コメントは、ボラーニョ『通話』の翻訳者、松本健二さんのものを1部抜粋したり、適当につけたりしています。 物語ラテン・アメリカの歴史―未来の大…
2008年をさらりとふりかえる。今年は本当に本と活字にまみれたなあ。たぶんおやつ食べた回数と同じくらいじゃないだろうか。 というわけで、勝手にアワード。とりあえずはオーソドックスに、海外文学から。基本的に今年読んだもので、かつ感想を書いてあるも…