ボヘミアの海岸線 - 海外文学の感想

海外文学/世界文学/ガイブンの書評と感想ブログ。昔の名は「キリキリソテーにうってつけの日」

セルビア文学

『ハザール辞典』ミロラド・パヴィチ

ハザール族とは、大昔に世界の舞台から姿を消した古い民族である。その諺のひとつに言うーー霊魂にも骸骨がある、それは思い出でできていると。 ーーミロラド・パヴィチ『ハザール辞典』 幻の王国、奇想、召喚魔法 セルビアの作家ミロラド・パヴィチは、中世…

『タイガーズ・ワイフ』テア・オブレヒト

祖父はようやく口を開いた。「分かるだろう、こういう瞬間があるんだ」 「どんな瞬間?」 「誰にも話さずに胸にしまっておく瞬間だよ」 ——テア・オブレヒト『タイガーズ・ワイフ』 トラの嫁と、不死身の男 まずはわたしの話からはじめよう。曾祖父が曾祖母と…