2018-01-01から1年間の記事一覧
アメリカ人はほんとうに月に行ったのか? スタジオですっかりでっち上げたというのもあり得なくはない。月面着陸のあとの宇宙飛行士の影をよく観察すると、どこか信用しがたい。それに、湾岸戦争はほんとうに起こったのか。それとも、古いレパートリーの断片…
写真を見るだけで、三人が舞踏会に予定どおり向かっていないことは明らかだった。私もまた、舞踏会に予定どおり向かってはいなかった。我々はみな、目隠しをされ、この歪みきった世紀のどこかにある戦場に連れていかれて、うんざりするまで踊らされるのだ。…
効果は、一応はあった。ただし"アブラカタブラ"と唱えたらウサギが消えました、じゃん! というような効き方ではなかった。"アブラカタブラ"を何十億回、何万年もかかって唱えつづけているうちにウサギが老衰で死に、それでもまだ唱えつづけているうちにウサ…
<<私くらいの年齢になれば、何とかして外見だけでもヘミングウェイに似ているとまわりの人に認めてもらいたくなりますよ>> ーーエンリーケビラ=マタス『パリに終わりはこない』 自意識・イン・パリ 私たち人類は、「褒められたい」「認められたい」と願う生…
「もし、きみが、幸運にも、青年時代にパリに住んだとすれば、きみが残りの人生をどこで過ごそうとも、それはきみについてまわる。なぜなら、パリは移動祝祭日だからだ」 ーーアーネスト・ヘミングウェイ『移動祝祭日』 どこまでもついてくる祝祭 世の中には…
「…あの謎めいた意思をなんと呼べばいいんだ。俺たちすべてをこれほどまでに弄び、惨めにしているあれを。運命か、偶然か、それとも星辰の永遠の法則か?」 ーーレオ・ペルッツ『ボリバル侯爵』 予告された自滅の記録 戦いにおいて最も効率がよい勝利方法は…
…こうなるともう、ノートル=ダム大聖堂の鐘でもなければ、カジモドでもない。夢か、つむじ風か、嵐だ。音にまたがっためまいだ。…こんな並外れた人間がいたおかげで、大聖堂全体には、なにか生の息吹みたいなものが漂っていた。 ーーヴィクトル・ユゴー『ノ…
#2019年、編集済み。 「海外文学の名作100冊」を分類する 世界文学・海外文学は広大な海あるいは原野のようだ。それゆえ、初心者にとって地図がとても見づらい。「面白い」「古典」「話題になっている」という定性的な物差しはたくさんあるけれど、それだけ…