ボヘミアの海岸線

海外文学/世界文学/ガイブンの感想・書評ブログ。

▼アフリカ文学

『忘却についての一般論』ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ|傷ついた記憶を忘れずに生き延びる

自分はどこの人間でもない。あそこは、自分が生まれたあの土地は、寒かった。あの狭い道、向かい風と荒天のなか、頭を低くして歩く人々の姿を鮮明に思い出した。自分のことを待つ人はどこにもいない。 ーージョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ『忘却について…

『隠された悲鳴』ユニティ・ダウ|弱者をすりつぶす儀礼殺人の邪悪

これから5年後に、ひとつの箱が開かれ、無視することのできない悲鳴が漏れ出すことなど、3人は知る由もなかった。 ーーユニティ・ダウ『隠された悲鳴』 海外文学を読み始めてから、魔術に関するニュースを追うようになった。東欧やアフリカでは魔術が日常に…

『崩れゆく絆』チヌア・アチェベ

「白人ときたら、まったくずる賢いやつらだよ。宗教をひっさげて、静かに、平和的にやって来た。われわれはあのまぬけっぷりを見ておもしろがり、ここにいるのを許可してやった。しかしいまじゃ、同胞をかっさらわれ、もはやひとつに結束できない。白人はわ…

『老首長の国 アフリカ小説集』ドリス・レッシング

「不公平だ」彼は言った。「不公平だよ」 「やっと気づいたのか、白んぼ?」ダークが言った。——ドリス・レッシング「アリ塚」 見えぬ心 かつてアフリカが「暗黒大陸」と呼ばれたのは、その見えなさのためだった。西欧人たちはジャングルを切り開き、土地を奪…

『黒檀』リシャルト・カプシチンスキ

[無限の多様性] Ryszard Kapuscinski HEBAN,1998.黒檀 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)作者:リシャルト・カプシチンスキ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2010/08/11メディア: 単行本 一流の人類学者は、<アフリカ文化>や<アフリカ宗教>…

『一つ半の生命』ソニー・ラブ・タンシ

[地獄だ! 地獄だ!] Aony Labou Tnasi La Vie et Damie,1979.一つ半の生命作者: ソニーラブ・タンシ,Sony Labou Tansi,樋口裕一出版社/メーカー: 新評論発売日: 1992/04メディア: 単行本 クリック: 24回この商品を含むブログ (1件) を見る ……<地獄>の文…

『コンゴ・ジャーニー』レドモンド・オハンロン

[なんだこれは] Redmond O'Hanlon Congo Journey,1996.コンゴ・ジャーニー〈上〉作者: レドモンドオハンロン,Redmond O'Hanlon,土屋政雄出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/04/01メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 56回この商品を含むブログ (23件) を…

『夷狄を待ちながら』J.M.クッツェー

[蛮人は誰か] J.M.Coetzee WAITING FOR THE BARBARIANS ,1980.夷狄を待ちながら (集英社文庫)作者: J・M・クッツェー,土岐恒二出版社/メーカー: 集英社発売日: 2003/12/16メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 40回この商品を含むブログ (17件) を見る せめて…

『やし酒飲み』エイモス・チュツオーラ

[アフリカン・マジック] Amos Tutuola THE PALM-WINE DRINKARD, 1946.やし酒飲み (晶文社クラシックス)作者: エイモスチュツオーラ,土屋哲出版社/メーカー: 晶文社発売日: 1998/05/30メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (45件) …

『恥辱』J.M.クッツェー

[犬と負け犬] J.M.Coetzee DISGRACE,1999.恥辱 (ハヤカワepi文庫)作者: J.M.クッツェー,J.M. Coetzee,鴻巣友季子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/07/01メディア: 文庫購入: 15人 クリック: 88回この商品を含むブログ (49件) を見る 「なんという屈…