ボヘミアの海岸線 - 海外文学の感想

海外文学/世界文学/ガイブンの書評と感想ブログ。昔の名は「キリキリソテーにうってつけの日」

オーストリア文学

『凍』トーマス・ベルンハルト|人間の形をした液体窒素

きみは恐れているのか。違うって。どっちなんだ。人類をか。観念をか。 人間の形をした液体窒素 『消去』を読んで以来、トーマス・ベルンハルトには、遠い異国に住んでいる親族に寄せるような、淡い親近感を抱いてきた。 世界を嫌悪し、近親者を嫌悪し、かつ…

『ボリバル侯爵』レオ・ペルッツ

「…あの謎めいた意思をなんと呼べばいいんだ。俺たちすべてをこれほどまでに弄び、惨めにしているあれを。運命か、偶然か、それとも星辰の永遠の法則か?」 ーーレオ・ペルッツ『ボリバル侯爵』 予告された自滅の記録 戦いにおいて最も効率がよい勝利方法は…

『夜毎に石の橋の下で』レオ・ペルッツ

一同が静まったところで高徳のラビは告げた。汝らのうちに、姦通の罪を負って生きる女、呪われた一族、主によって滅ぼされた一族の子がいる。罪人に告ぐ、進み出で己が罪を告白し、主の裁きを受けるがよい。――レオ・ペルッツ『夜毎に石の橋の下で』 プラハの…

『ナペルス枢機卿』グスタフ・マイリンク

私たちがなしとげる行為には、それがいかなるものにもあれ、魔術的な、二重の意味があるのだ、と。私たちには、魔術的でないことは、何ひとつできない――。——グスタフ・マイリンク『ナペルス枢機卿』 おぞましき、この現世 真夏の日照りが続くさなかにマイリ…

『消去』トーマス・ベルンハルト

私の頭に最終的に残っている唯一のものは、と私はガンベッティに言った、「消去」というタイトルだ。というのも私の報告は、そこに描写されたものを消去するために書かれるからだ。私がヴォルフスエックという名で理解しているすべて、ヴォルフスエックであ…

『ヴィトゲンシュタインの甥』トーマス・ベルンハルト

[ウィーンに生きた] Thomas Bernhard Wittgensteins Neffe , 1982.ヴィトゲンシュタインの甥作者: トーマスベルンハルト,岩下真好出版社/メーカー: 音楽之友社発売日: 1998/12/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (4件) を見る…