電子書籍(Kindle)で読めるオススメ海外文学
ここのところ、海外文学を読んだことがない人に海外文学を読んでもらう方法を模索していて、こんな記事を書いた。
この記事を読んだ人から「本を置く場所がないし持ち運びが重いから、電子書籍の海外文学リストが欲しい」というリクエストをもらったので、「電子書籍(Kindle)で読めるオススメ海外文学」リストをつくってみた。
いわゆる名作と呼ばれる王道どころからKindle化する傾向にあるので、今回のリストは有名なタイトルが多め。中でも、わたしがおもしろいと思うものを重点的に選んだ。
- チャールズ・ディケンズ『ピクウィック・クラブ』
- ハーマン・メルヴィル『白鯨』
- エミリー・ブロンテ『嵐が丘』
- ジェイン・オースティン『高慢と偏見』
- エドガー・アラン・ポー『黒猫/モルグ街の殺人』
- セルバンテス『ドン・キホーテ』
- アゴタ・クリストフ『悪童日記』
- カフカ『変身』
- アーネスト・ヘミングウェイ『老人と海』
- チェスタトン『木曜日だった男 一つの悪夢』
- レフ・トルストイ『イワン・イリイチの死』
- プルースト『失われた時を求めて』
- レーモン・ラディゲ『肉体の悪魔』
- サン=テグジュペリ『夜間飛行』
- アントン・チェーホフの作品
- ヒョードル・ドストエフスキーの作品
- カート・ヴォネガット・ジュニアの作品
- ダグラス・アダムス「銀河ヒッチハイクガイド」シリーズ
- ウィリアム・シェイクスピアの作品
- ギリシャ神話
- ケルト神話
- 沼野充義『世界は文学でできている』
- ウラジミール・ナボコフ『ナボコフの文学講義』
- 米原万里『打ちのめされるようなすごい本』
- 須賀敦子『遠い朝の本たち』
- これまでにつくった海外文学リスト
チャールズ・ディケンズ『ピクウィック・クラブ』
- 作者: チャールズ・ディケンズ
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2014/01/17
- メディア: Kindle版
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まずはなんといってもこれ。ポルトガルの国民的な憂鬱アイドル、ちょびひげペソア先生をして「「ピクウィック・クラブ』をすでに読んでいるというのは、私の人生の大悲劇のひとつだ(もはやそれを初めて読むことはできない)」と言わしめた伝説の作品。長らく絶版だったが、いつのまにかしれっとKindleで復刊していた。全3巻と長めだが、ユーモアと軽やかさが最高。
ハーマン・メルヴィル『白鯨』
- 作者: メルヴィル,八木敏雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2015/01/01
- メディア: Kindle版
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とくに八木訳はテンションの高さがずば抜けてかっ飛んでおり、かつて『白鯨』に飲まれて爆発四散した人でも、もしかしたら楽しめるのでは。ポエット!
エミリー・ブロンテ『嵐が丘』
- 作者: E・ブロンテ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: Kindle版
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- 作者: エミリー・ブロンテ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/07/01
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男女のふりをした荒野が身勝手さと執着と欲望を振り乱して咆哮する、英国怪奇譚。ブリテン! 英国! 辺境! 荒野! ヒース! 天気悪い! 怪奇大好き! というハイテンションぶりが続くので、ロマンスと恋愛物語を求めると爆死する。恋は狂気の荒野なのだ。
ジェイン・オースティン『高慢と偏見』
- 作者: ジェイン・オースティン
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/08/02
- メディア: Kindle版
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エドガー・アラン・ポー『黒猫/モルグ街の殺人』
- 作者: ポー
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: Kindle版
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- 作者: ポオ,中野好夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2015/01/22
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セルバンテス『ドン・キホーテ』
- 作者: セルバンテス,牛島信明
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2014/12/18
- メディア: Kindle版
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アゴタ・クリストフ『悪童日記』
- 作者: アゴタクリストフ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/09/30
- メディア: Kindle版
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カフカ『変身』
- 作者: カフカ,山下肇,山下萬里
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2015/01/01
- メディア: Kindle版
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- 作者: フランツ・カフカ,中井正文
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2012/10/16
- メディア: Kindle版
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アーネスト・ヘミングウェイ『老人と海』
- 作者: ヘミングウェイ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/09/19
- メディア: Kindle版
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チェスタトン『木曜日だった男 一つの悪夢』
- 作者: チェスタトン
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: Kindle版
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「地上にあるものはなぜお互い同士戦うのか?世界の中にあるちっぽけなものが、なぜ世界そのものと戦うのか?一匹の蝿が、なぜ全宇宙と戦わねばならないのか?」 チェスタトン『木曜日だった男』
「日曜日」という超人じみた男に抗おうとする曜日男たちの話だが、なんかもう最初から最後まで勝てる気がしない。「日曜日」とはなんなのか? を問い続ける作品。これを読んでいるとブルーマンデーより日曜日のほうが怖くなるよ。
『木曜日だった男 一つの悪夢』チェスタトン - ボヘミアの海岸線 - 海外文学の感想
レフ・トルストイ『イワン・イリイチの死』
イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ (光文社古典新訳文庫)
- 作者: トルストイ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
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プルースト『失われた時を求めて』
失われた時を求めて 1?第一篇「スワン家のほうへI」? (光文社古典新訳文庫)
- 作者: プルースト
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: Kindle版
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レーモン・ラディゲ『肉体の悪魔』
- 作者: ラディゲ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: Kindle版
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サン=テグジュペリ『夜間飛行』
- 作者: サン=テグジュペリ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
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アントン・チェーホフの作品
21世紀になった今も褪せずむしろその色彩を増す短編の王者、チェーホフ。チェーホフごっこをするときは「生きていかなければならないのよ!」と叫ぶとそれっぽくなるのでおすすめ。
- 作者: アントン・チェーホフ,沼野充義
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/09/24
- メディア: 単行本
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- 作者: チェーホフ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
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ヒョードル・ドストエフスキーの作品
さすがドスト、有名どころの作品はほとんどKindleで手に入れられる。
- 作者: ドストエフスキー,江川卓
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2014/12/18
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- 作者: ドストエフスキー
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
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自意識が強すぎるがゆえにバートルビーになっている人のための、厨二病バイブル。刺されてもだえるがよい。
- 作者: ドストエフスキー
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2012/02/10
- メディア: Kindle版
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- 作者: フョードル・ドストエフスキー
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/07/04
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カート・ヴォネガット・ジュニアの作品
ブラッドベリとカート・ヴォネガット・ジュニアはどこかで必ず罹患する文学はしかのようなもので、一種の気恥ずかしさを感じながらも嫌いになれなんてしやしない。第二次世界大戦の大破壊を見てしまい、正気のまま狂気を見てひび割れた作家である。
- 作者: カートヴォネガットジュニア,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/06/25
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- 作者: カートヴォネガットジュニア,伊藤典夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/02/28
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- 作者: カートヴォネガット,伊藤典夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/04/25
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- 作者: カートヴォネガットジュニア
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/03/29
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ダグラス・アダムス「銀河ヒッチハイクガイド」シリーズ
銀河ヒッチハイク・ガイド 銀河ヒッチハイクガイドシリーズ (河出文庫)
- 作者: ダグラス・アダムス
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/08/29
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ウィリアム・シェイクスピアの作品
さすがシェイクスピア、Kindle化が進んでいる。シェイクスピアといえば四大悲劇が有名だが、個人的にはツンデレ喜劇からまず読んでほしい。シェイクスピアは楽しい。
- 作者: ウィリアム・シェイクスピア
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2014/10/30
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- 作者: ウィリアム・シェイクスピア
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2014/10/30
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- 作者: ウィリアム・シェイクスピア
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/08/02
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「もっと落ちるかもしれん、「これがどん底」などといえるあいだはほんとうのどん底ではないのだ」 シェイクスピア『リア王』
苦言を呈してくれる人はどれほど貴重か、そのことを突き刺してくる作品。甘い言葉しかきかない人は会社にも友人にもいるけれど、やはり彼らはどこかでつまずいている。リア王は人生の最後の最後で、ようやく人生と向き合った。だが、あまりにも遅すぎた。
- 作者: ウィリアム・シェイクスピア
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/08/02
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- 作者: ウィリアム・シェイクスピア
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/08/02
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「お気をつけなさい、将軍、嫉妬というやつに。こいつは緑色の目をした怪物で、人の心を餌食とし、それをもてあそぶのです」 シェイクスピア『オセロー』
人間の感情のうち最も古いもののひとつは「嫉妬」だ、と書いたのは誰だったか。愛と表裏一体の嫉妬は、愛が強ければ強いほど制御不能な暴風雨となって人の心をけちらかす。
ギリシャ神話
西洋絵画やヨーロッパ文学で避けてはとおれないのが聖書、ギリシャ神話、ケルト神話である。『ギリシャ神話を知っていますか』を読んで「神々やばい」「エロい」と思ったあと、『完訳 ギリシャ神話』をリファレンスとして、ホメロスやギリシャ悲劇を読んでみるとよい。
完訳 ギリシア・ローマ神話 上 完訳 ギリシア・ローマ神話 (角川文庫)
- 作者: トマス・ブルフィンチ,大久保博
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2012/10/01
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- 作者: 阿刀田高
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/07/01
- メディア: Kindle版
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- 作者: 松平千秋
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2014/12/18
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ケルト神話
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/08/02
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- 作者: ウィリアム・バトラー・イエイツ
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/08/28
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沼野充義『世界は文学でできている』
- 作者: 沼野充義
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/01/17
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それでも世界は文学でできている?対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義3?
- 作者: 沼野充義
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2015/03/27
- メディア: Kindle版
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やっぱり世界は文学でできている?対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義2?
- 作者: 沼野充義
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/01/17
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大御所のロシア文学の翻訳者、沼野先生がさまざまな言語の翻訳者や小説家を読んできて対話する講義録。文学の読み方について他の人の知見を得られるのがブックガイドや読書会のいいところであり、本書はその中でもかなりよい。この値段でこのおもしろさはすばらしい。
ウラジミール・ナボコフ『ナボコフの文学講義』
- 作者: ウラジーミル・ナボコフ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/07/04
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- 作者: ウラジーミル・ナボコフ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/07/04
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米原万里『打ちのめされるようなすごい本』
- 作者: 米原万里
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/12/05
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須賀敦子『遠い朝の本たち』
- 作者: 須賀敦子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/11/08
- メディア: Kindle版
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