ボヘミアの海岸線

海外文学/世界文学/ガイブンの書評と感想ブログ。昔の名は「キリキリソテーにうってつけの日」

2019年は休む年だった

2019年は、休む年だった。

ここ数年ほどなにかに取り憑かれていたらしく、人生にいろいろ詰めこみすぎて、追われるがままに動き続けていた。刺激的で楽しかったけれど、やはり無理がきていたのだろう。2018年12月にふつりとなにもしたくなくなった。メールを見るのに1週間かかったり、飲み会を設定するのに2週間かかったり、原稿を書くのに1か月かかるようになった。これはまずいと思って、いろいろ放り投げた。子供の世話以外は、全部やめるか一部をやめるか少なくするかした。

仕事の量を半分ぐらいに減らして、やらないと人生が回らないことだけ残したら、ここ数年でいちばん暇になった。いつもだったら、暇があればすぐいろいろ始めたがるけれど、新しいことをする気力がなかった。バッテリーセーブモード。あと15分で電源が切れます。そんな感じ。

しばらく寝落ちをくりかえす日々が続いた。それでも根がホリックなので、なにかをしたかった。少ない体力ゲージでできること、慣れていて好きなことをしようと思ったら、海外文学を読んで、読書ブログを書いていた。まあこうなるね、と思う。この飽き性の私が、10年以上続けているものなんて、料理と酒と執筆と読書とブログぐらいしかない。

そんなわけで2019年はひさびさに小説を読んでブログを書いた。安定的に書けていたわけではない。これまでは読んだら書くサイクルで動いていたのに、読んでも書けない日が断続的に続いた。書けない時は諦めて、読むだけ読んで、書けそうな時にまとめて書いた。だから2019年前半は、たくさん書いている月と、ほとんど書いていない月が交互にある。半年ぐらい休んでいればどうにかなるかと思っていたけれど、気力が戻ってきたのは10月くらいからで、ようやくブログの数もでこぼこしなくなった。

2019年にわかったのは、読んで書くことは、食べること、寝ること、歩くことと同じぐらい、私のバランスを保つために必要だということだ。人生が低空飛行になって、だいたいのものを捨ててもなおこのふたつは残る。小説以外の本は読んでいたから大丈夫だろうと思っていたけれど、そうでもなかった。ここ数年は栄養不足や睡眠不足と同じぐらい、私にとっては不養生なことだったのだろう。自分のことがわかっていないと無理がくる。

まる1年休んでだいぶやる気が出てきたので、2020年はもうすこしいろいろ活動を戻したい。いきなり広げるとまた人生を骨折するからほどほどに、食べて寝て歩いて読んで書くことを忘れずに。

 

2019年に読書関連でやったこと

低空飛行ながらにできたこと。

Scrapboxで読書Wikiをつくった

2月、ウィリアム・ギャディス『JR』読書会のために、Scrapboxで読書Wikiをつくった。登場人物100人以上、900ページ、声だけで描かれる狂気の小説を読むには、手書きのメモではもはや追いつかないと思ったので始めてみた。Scrapboxはポストモダン小説と相性がいいとわかったので、『重力の虹』でもつくったら、ものすごく楽しめた。

ガイブン読書会・鈍器部を始めた

たぶん飲み会かなにかで「『重力の虹』読書会をやってくれ」と言われたので、酔っぱらいのノリで5月に『重力の虹』読書会を主催した。どうせならなにか楽しい名前をつけようと思って、ウィリアム・ギャディス『JR』から「鈍器」(500ページ以上の小説)が続いたので、鈍器部にした。

由来はこんなふうに適当だけど、鈍器小説は読書会向きだと思う。長いからつい後回しにしがちだし、長いから多様な切り口があるし、人によって見えるものが変わりやすい。あとは「高い本を買う理由になる」とも言われた。たしかに。

 

たくさん読書会に参加した

今年はおそらく人生でもっとも読書会に参加した年だった。

  • ウィリアム・ギャディス『JR』
  • トマス・ピンチョン『重力の虹』
  • ウラジミール・ナボコフ『淡い焔』
  • エドゥアール・グリッサン『レザルド川』
  • フラナリー・オコナー『フラナリー・オコナー全短篇』

読書会は8年ぐらい前から参加しているものの、読書会そのものには年に1回ぐらい参加するだけで、もっぱら飲み会勢だった。今年はじめてまともに参加した。定期的に参加したり開催している人はすごい。

 

ブログの名前を変えた

4月にブログの名前を変えた。ブログを始めて11年になったし、前の名前は長いし、「ボヘミアの海岸線」という単語を使いたかった。いま思えば、だらりと休んでいろいろ変えたい気持ちがあったのだろう。

 

海外文学以外の感想を書いた 

ブログの名前を変えたので、ついでに書く感想の幅をちょっとだけ広げてみた。これまでは、書く冊数が増えると締切が重くなることがいやで、海外文学の感想だけを書くように絞っていた。とはいえ、もともと記憶力が持たない私が子育てによりいろいろ忘れるようになったので、海外文学と海外文学に関係ありそうな本だけ、ブログに残しておくことにした。

 

ブログを常時SSL(https)化した

暇になったのでこれまでやれなかったことをやろうと思い、ようやっとSSL化した。SSL化すると一時的にGoogleランクが下がる。PVが半分ほどに下がり、検索にインデックスされない記事がたくさんあった。Google Search Consoleであれこれしつつ放っておいたら、半年ぐらい経ったところで数日でPVが戻っていった。今は前と同じに戻っている。

 

 

振り返ってみると、読書以外の活動をほぼ休止していたので、読書活動はそれなりにできた。来年はかどうなるわからないので、目標は立てないでおこう。