『文体練習』レイモン・クノー
[文体の博覧会]
Raymond Queneau Exercices de Style 1947.

- 作者: レーモンクノー,Raymond Queneau,朝比奈弘治
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 1996/11
- メディア: 単行本
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- 作者: レーモン・クノー,松島征
- 出版社/メーカー: 水声社
- 発売日: 2012/09/22
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フランスのシュルレアリスム作家、クノーの文体練習小説。著者が、この本をものすごく楽しそうに書いたんだろうなという情景が、目に浮かぶような本。
クノーは、文学実験集団「ウリポ」の手本とされた作家だ。ちょっとわき道にそれるが、このウリポは、とにかく翻訳者泣かせの集団である。有名どころでは、ジョルジュ・ペレックなどがいるが、彼はフランス語で最も出現頻度が高い「e」を小説からきれいに消失させた、すさまじい小説『消失』を書いている(当然、未訳)。消失系の小説では、日本でも筒井康隆の『口紅に残像を』などがあるが、これはひらがなが1字ずつ脱落していくので(幽々白書を思い出す人は同世代)『消失』ほど強烈ではない。本書も、これまた翻訳しにくかっただろうな、としみじみ思う。
内容はいたってシンプルだ。「バスの中でぐちを言う青年がいる。2時間後にその男は連れに、コートにボタンがいるね、と言われる」という、おもしろくもなんともない数行のシーンを、99もの文体で表現する。
読んでいて、驚くやら感心するやら、大笑いするやらで、他の本ではなかなか得がたい体験ができた。著者にしても訳者にしても、才能を尽くして、馬鹿なことを大真面目にやってのけるこのユーモアがいい。「植物」とかになると、もう何がなにやら。
遊び心が好きな読書人、凝り性な読書人におすすめ。
クノーの著作レビュー:
『地下鉄のザジ』
recommend:
シュルレアリズム、ウリポ関係。
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