『宝島』ロバート・ルイス・スティーブンスン
死人箱島に流れついたは十五人
ヨー、ホッ、ホー、酒はラムがただ一本
——ロバート・ルイス・スティーブンスン『宝島』
だめな海商紳士
なんという語りの魅力だろう。<ベンボウ提督亭>、<遠眼鏡亭>、片足の老海賊、秘密の地図、宝島の蛮人、仕事人の鑑のような船長、八銀貨と叫ぶオウム、なにもかもが彩り鮮やかにいとおしい。幼いころから病弱で、北の荒地を離れて世界を転々としたスティーブンスンは、最後の居住地サモア諸島では現地の人々から「語り部」と呼ばれていた。なるほど、彼の作品はどれも人に語り聞かせたくなるが、『宝島』は、含蓄もうんちくもなく、それでいて文句なしに楽しいという、奇妙な引力がある。
- 作者: スティーヴンスン,村上博基
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/02/07
- メディア: 文庫
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