ボヘミアの海岸線

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台湾文学

『眠れる美男』李昂|一方通行の性欲が行き着く果て

極めて微妙な―― 身震い。 (どうして身震いなのか!) ああ! 服の上からではなく、この荒々しい大きな手で裸身を隅々まで…… −−李昂『眠れる美男』 「小鮮肉=ヤング・フレッシュ・マッスル」 という衝撃的な中国語を知ることになった本書は、川端康成『眠れ…

第五回 日本翻訳大賞の最終選考5作品を読んだ

第五回 日本翻訳大賞に、ウィリアム・ギャディス『JR』(木原義彦訳)とジョゼ・ルイス・ペイショット『ガルヴェイアスの犬』(木下眞穂訳)が選ばれた。2作品の受賞、おめでとうございます。 JR 作者: ウィリアム・ギャディス,木原善彦 出版社/メーカー: 国…

『自転車泥棒』呉明益|誰にも話せなかった傷と痛み

「まあ、ふたりとも、自分の人生のねじをどこかで落としてしまったんだろう。自分のことが、自分でもわからない」 「会話のスイッチが壊れているんだ」 「そう、壊れている」 ――呉明益『自転車泥棒』 話せなかった傷と痛み 痛ましい出来事によってうまれた傷…