ボヘミアの海岸線

海外文学を読んで感想を書く

とある夜更けのご挨拶


 午後三時を過ぎた頃、珈琲屋にて2009年最後のドリップを飲む。連れから、お土産にとドーナツとチョコレートをもらう。
 川沿いを歩いていると、今年の晦日は月が丸いよ、という声がする。心の中だけで、それは結構なことですと返事を返す。
 今年の夏に漬けた梅酒は、やや熟成が進んでほろ甘さが増した。ゆず皮をつまみにうらうらと、梅酒を喉に流しこむ。
 いつもなら表から聞こえてくる足音や車の音も、今夜はふつりと絶えて聞こえない。
 少し荒れた机の上を片づけながら、みかんを三重塔に積んで遊んでみる。
 相も変わらずな、とある夜更けにご挨拶。今年1年、遊びにきてくれてありがとうございます。日付変更まであと3時間少し。それでは皆さま、よいお年を。