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キリキリソテーにうってつけの日

海外文学/世界文学の感想ブログ。

海外文学のプレスリリースを書いてみた

フラグメント 文体演習

 先日、「大政奉還のプレスリリースを書く」という記事が話題になっていた。私はどちらかといえば、プレスリリースを書く側ではなくプレスリリースをもらう側なのだが、どちらにせよプレスリリースは身近な存在だ。せっかくなので海外文学でプレスリリースを書いてみることにした。

セルバンテスドン・キホーテ』のプレスリリース

1605年吉日
おひまな読者各位
ドン・キホーテ、遍歴の騎士として冒険の旅に出立
〜世にはびこる不正を騎士道にて浄化する試み〜


 本日、ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ (本居地:ラ・マンチャ、以下:ドン・キホーテ)は、遍歴の騎士として世の中の不正を正すために冒険の旅に出ることを発表いたしました。
 今日、世には魔法使いの跋扈(ばっこ)や異教徒の反乱、地主による搾取や乙女への暴力など、さまざまな不正が満ちあふれております。対して、それに対抗しうる騎士道は力を失って久しく、哀れな人民を救済する正義の行使、および悪党への天誅は急務と言えます。
 そこで今回、ドン・キホーテは従者サンチョ・パンサと名馬ロシナンテ、伝説の「マンブリーノの兜」を活用し、遍歴の冒険に繰り出すことにより、正義の行使と騎士道の回復を目指します。


今後のマイルストーン
(1)城主による騎士の叙任式
(2)高貴なる姫君ドゥルシネーア・デル・トボーソへの忠誠の誓い
(3)国王陛下への謁見


 なお、冒険により獲得した名声、および下賜されるであろう財産は適宜、貧しい者や功労者へ分配することを予定しております。まずはサンチョ・パンサを領主に任命することにより騎士と従者のモデルケースを提示し、さらなる騎士道の発展と拡大に努めてまいります。


<本件に関するお問い合わせは、下記までお願いします>
 ミゲル・デ・セルバンテス(スペイン)
 原典(アラビア語)をご所望の方は、シデ・ハメーテ・ベネンヘーリ宛てにご連絡ください。なお、本件についてアベリャネーダなる者の贋作が出回っているようです。真偽のほどについて不明点がございます場合は、まず上記宛先にご連絡いただきますよう、お願い申し上げます。


 本プレスリリースには魔法、喧嘩、戦い、決闘、大怪我、愛のささやき、恋愛沙汰、苦悩、さらには、ありもしない荒唐無稽の数々からなる幻想が含まれている可能性があることにご留意ください。

プレスリリース起こししてみた

 マッチポンプ

遍歴の騎士ドン・キホーテ、冒険の旅に出立

 ドン・キホーテは8月3日、遍歴の騎士としてラ・マンチャ地方を出立すると発表した。本旅の目的は世の不正を正すことであり、「魔法使いや異教徒、地主など不正を行う輩に天誅を下す」としている。
 上記の目的を行使するため、同氏は従者サンチョ・パンサと馬ロシナンテを伴い、「マンブリーノの兜」を装備する。冒険によって獲得した名声、下賜予定の財産は、貧しい者や功労者へ分配する見込み。

 カフカの『城』でもできそうだなと思ったけれど、眠くなってきたので本日はこれにて。おやすみ、おひまな諸君、良い狂気の夢を。


前科
モテる海外文学(ガイブン)女子力を磨くための4つの心得


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