キリキリソテーにうってつけの日

海外文学/世界文学の感想ブログ。

フェルナンド・ペソア『不穏の書、断章』

 人生は意図せずに行われてしまった実験旅行だ。それは物質を通しての精神の旅行であり、旅行しているのは私たちの精神なのだから、私たちが生きているのは精神のなかだ。だから、外で生きる魂よりも、ずっと強烈で、ずっと広大で、ずっと波乱に満ちた生涯を送る瞑想的な魂もある。結果がすべてなのだ。感じられたこと、それが生きられたものなのだ。目に見える仕事よりも、夢のなかでのほうが疲れることもある。たくさん考えたときほど多くを生きたときはない。

 

——フェルナンド・ペソア澤田直訳『不穏の書、断章』 思潮社、2000.