読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

キリキリソテーにうってつけの日

海外文学/世界文学の感想ブログ。

冬に読みたい海外文学

気ままな本リスト

 11月。雨が降ると地面が凍えたように青くなる季節になった。

 わたしは冬に鍋をするのが好きだが、それ以上にアイスクリームを食べるのが好きだ。何を言いたいかというと、寒い冬にあえてもっと寒いことをするのが好きなのである。


 というわけで、寒い土地の冬を描いた海外文学をセレクト。

冬の犬 (新潮クレスト・ブックス)

冬の犬 (新潮クレスト・ブックス)

灰色の輝ける贈り物 (新潮クレスト・ブックス)

灰色の輝ける贈り物 (新潮クレスト・ブックス)

カナダ、ケープ・ブレトン島の厳冬を描く。透きとおるように寒い、流氷のような短編小説。


アラン島 (大人の本棚)

アラン島 (大人の本棚)

アイルランドのアラン島に居ついた作家のエッセイ。ケルトが息づく土地で過ごす日々。


アメリカ、シカゴ。「冬のショパン」「ファーウェル」で描かれる冬の美しさといったら! 


島暮らしの記録

島暮らしの記録

フィンランド。絶海の孤島で、相棒とふたり暮した芸術家の記録。冬がやってきて港が凍るまで、ただ静かに波の音を聞いて暮らす日々。


魔術師のたいこ

魔術師のたいこ

フィンランドラップランド。オーロラとともに生きたサーメ人の伝説。彼らにとって、冬と夜は極彩色。


氷

イギリス。世界も人間関係も魂もすべてが絶対零度まで冷え切っているのに、世界が破滅するほどに美しい。世界が破滅するまっただなか、氷のアルビノ少女を地の果てまで追いかける、アポカリプスラブの極北。


狼たちの月

狼たちの月

スペイン。頭の中が真っ白に吹きすさぶ圧倒的な孤独について、これよりすごい作品を知らない。


青い野を歩く (エクス・リブリス)

青い野を歩く (エクス・リブリス)

アイルランド。ぬくもりを求めて男がひとり青い野を歩く。表題作が絶品。


聖母の贈り物 (短篇小説の快楽)

聖母の贈り物 (短篇小説の快楽)

アイルランド・ストーリーズ

アイルランド・ストーリーズ

密会 (新潮クレスト・ブックス)

密会 (新潮クレスト・ブックス)

アイルランド。冬になにか読みたいと思ったら、とりあえずトレヴァーを選んでおけばまちがいはない。人のぬくもりを求め、失い、それでもまだなにかを人は求める。


夜間飛行 (新潮文庫)

夜間飛行 (新潮文庫)

フランス文学。夜に落とした青い宝石、あるいは鉱物のような美しさ。冬と夜には、人が住んでいる証、光を求めたくなる。


火を熾す (柴田元幸翻訳叢書―ジャック・ロンドン)

火を熾す (柴田元幸翻訳叢書―ジャック・ロンドン)

マイナス50度の土地をひとりと1匹が歩き、火を熾そうとする。絶対に失敗できない状況での心境、自分を信じたい心と罵る心、希望と罵倒と絶望が氷河のようにとぎすまされた文体で広がる。とにかく読んでいて手先が凍る。スープと紅茶を用意してからお読みください。


エッダ―古代北欧歌謡集

エッダ―古代北欧歌謡集

北欧神話。北欧に住むヴァイキングの先祖が語った、驚異的な冬の世界。彼ら北欧の人々は「太陽がのぼらない永遠の冬」を心底おそれた。


アイヌ神謡集 (岩波文庫)

アイヌ神謡集 (岩波文庫)

アイヌの生活を描いた神の歌。「銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに」――透明な雪の結晶のような言葉の美しさ。


新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

イーハトーブ。青い世界に灯る赤い灯。


水晶 他三篇―石さまざま (岩波文庫)

水晶 他三篇―石さまざま (岩波文庫)

オーストリア。雪深い山を思い起こす石の連作。


 セレクトのテーマは「冬の厳しさと美しさ」(このテーマで選ぶと、なぜかロシアが入らなかった)。ぬくぬくとした部屋で、スープをすすりながら、のんべんだらりと読みたい。

その他の海外文学リスト