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キリキリソテーにうってつけの日

海外文学/世界文学の感想ブログ。

『悲しみよこんにちは』サガン

[思い出す、悲しみは]
Françoise Sagan BONJOUR TRISTESSE , 1954.

悲しみよこんにちは (新潮文庫)

悲しみよこんにちは (新潮文庫)


 19歳の時に書かれ、フランス文学界から絶賛を浴びた、サガンの処女作。読んだあとのざっくりとした感想は「ああ、フランスだなー」。全体的に、なんともフランスの少女らしいかわいさ、気まぐれ、痛み、残酷さな雰囲気がある物語。

 大人になりきれない、なれない、なりたくない。自分にも、かつてそういう時代があったことを思い出す。幼い頃は、大人がとても「大人」に見えたけれど、今自分が同じ年にたった時、大人も必死だったのだと分かる。


 主人公は、いわゆる「大人の女性」である父親の愛人に反発し続ける。

彼女はまっすぐに、動かずにしゃべれる女たちの一人だった。
 私には、長いすだとか、手持ち無沙汰につかむ物だとか、タバコだとか、 足をぶらつかせるとか、ぶらついている足を眺めるとかが必要だった。

 大人の女性と、自分との対比が絶えず絶えず行われて、そして迎える結末。

 昔を思い出すような口調、ふと現実に帰る瞬間があって、それが切なさを増している。 水色とバラ色の石を拾って、それを今眺めているシーンが、お気に入り。 青春がすでに過ぎ去ってしまっている人にとって、それを思い出す時には、きっとこんな気持ちになるに違いない。

今日、この石は桃色に、暖かく私の手の中にあって、私を泣きたくさせる。


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