ボヘミアの海岸線

海外文学を読んで感想を書く

2011-05-05から1日間の記事一覧

息も絶え絶えの圧倒的狂気|『眩暈』エリアス・カネッティ

これほどの大金と、これほどの少量の理性とくれば、襲われて奪われるのが関の山。 気狂いとはおのれのことしか考えぬ者の謂である。——エリアス・カネッティ『眩暈』 頭脳なき世界 圧倒的な狂気である。 「眩暈」などという、そんな控えめな言葉では、とうて…